オフィス省スペース主流 貸し会議室の需要増

オフィススペースを縮小させて効率的に利用する動きが、仙台圏の企業で出始めている。外資系不動産サービス業のCBRE仙台支店(仙台市青葉区)は倉庫や 会議室を減らし、オフィス空間を見直して働き方そのものの改善にも取り組む。業界関係者は「近年は省スペース化がトレンド」と指摘。裏付けるように、貸し 会議室の需要が伸びている。(報道部・勅使河原奨治)

<残業削減効果も>
JR仙台駅前の高層ビルに入る同支店は、8月の全面改装に合わせ、オフィスや会議室として借りていた2部屋(計211平方メートル)を1部屋に半減。これに伴って会議スペースを三つから二つに減らし、資料保管用のキャビネットは8割削減した。
個人の机も廃止した。荷物は1人当たり45センチ四方のロッカーに収納し、残りの資料類はデジタル保管に切り替えた。契約書などの重要資料は、賃料の安い郊外の貸倉庫で保管する。
資料が山積みになった机を取り払ったことで、オフィスはカフェのような空間になった。社員は好きな場所に座って作業できる。周りの視線を気にして居残る「だらだら残業」の削減効果も発揮しているという。
稲毛敦士支店長は「IT環境の整備で社員が特定の場所にとどまる必要がなくなった。固定した席がなくなり、部下と相談しやすい環境が生まれ、作業効率が上がった」と話す。仙台圏を中心に数十社が視察に訪れたという。
同社のようなケースはまだまれだが、会議室を必要としない企業は増加。それに比例して、貸し会議室の需要が高まっている。

<ビル賃料高水準>
貸し会議室を運営するティーケーピー(TKP、東京)は2010年、仙台市場に参入した。1拠点(11室)でスタートしたが、ことし10月中旬には6カ所目の拠点を開設。最大300人規模のホールを含め大小42の会議室を用意する。
TKP仙台支店の及川弘志支店長は「大規模の会議室だけでなく、小規模の需要も着実に伸びている。今後も両方をターゲットに仙台での供給を拡大したい」と勢いづく。
仙台市中心部は、野村不動産が17年春に、青葉区中央3丁目に大型オフィスビルを開業するまで新規供給計画がない。仙台圏のビル空き室率は約10%に低下し、賃料が高水準を保っていることも、貸し会議室需要の高まりの一因にもなっている。
オフィスビル仲介の三鬼商事仙台支店の担当者は「入居する企業が自前で会議室を持たずに、必要なときに借りることが当たり前になってきている。ビル内に共用の会議室があるかどうかで物件を決めるケースも増えており、今後もこの傾向は変わらないだろう」と指摘する。

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