新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は、過去に感染が広まったデルタ株などに比べて皮膚やプラスチック表面での生存時間が最も長かったとする論文を、京都府立医大の広瀬亮平助教(消化器内科)らのチームが1月27日までに発表した。
広瀬助教は「オミクロン株の高い安定性が、デルタ株からの急速な置き換わりや、現在の感染拡大の一因となっている可能性がある」と指摘している。
チームは中国・武漢で広がった初期の株と、変異株であるデルタ株やオミクロン株などの安定性を分析。皮膚表面での生存時間は武漢で広がった株が9時間だったのに対し、デルタ株が17時間、オミクロン株は21時間だった。
プラスチックでは、武漢の株が約2・3日だったのに対し、デルタ株が約4・8日、オミクロン株は約8日だった。
一方、アルコールで15秒間消毒すると、皮膚の上ではいずれの変異株も完全に不活化した。チームは「従来どおりの消毒の励行が感染対策に効果的だ」としている。