オランダ美術館でゴッホ盗難 新型コロナで休館中

【AFP=時事】(更新、写真追加)オランダの美術館で30日未明、巨匠ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の絵画が盗まれる事件があった。美術館では新型コロナウイルスの感染拡大のため一般公開が中止されていた。

【写真】被害に遭った美術館

 被害を受けたのは、首都アムステルダムの南東約30キロに位置するラーレン(Laren)のシンガーラーレン美術館(Singer Laren Museum)。同日はちょうどゴッホの生誕167周年に当たる日だった。

 警察によると、事件は午前3時15分(日本時間同10時15分)ごろに発生。犯人らはガラス製の扉を破って美術館に侵入し、1884年作の絵画「Parsonage Garden at Neunen in Spring(春のヌエネンの牧師館の庭)」を奪い逃走した。

 この絵画は比較的初期のゴッホ作品で、代表作「ひまわり」などのポスト印象派絵画を手掛ける前に制作された。美術調査員アルテュール・ブラント(Arthur Brand)氏は、推定価値を100万~600万ユーロ(約1億2000万円~7億1000万円)としている。

 同館は、オランダ政府による新型ウイルス感染拡大防止に向けた措置を受け、2週間前から休館していた。記者会見した館長は事件を受け、「ショックを受け、非常に立腹している」と表明。「アートとは、鑑賞され、感動と慰めを与えるためのものだ。現在私たちが置かれているような苦難の時にはなおさらだ」と述べた。

 同館は、オランダの抽象画家ピエト・モンドリアン(Piet Mondrian)の作品や、オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)のブロンズ像「考える人(Thinker)」など、3000点の収蔵品を誇る。【翻訳編集】 AFPBB News

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