オンライン診療の実証実験を報告 仙台市など今秋実用化

仙台市は30日、市医師会、東北大、NTT東日本と連携し、2~3月に取り組んだオンライン診療の実証実験の報告会を市役所で開いた。診察に必要な患者の情報を遠隔地の医師に届ける目的は達成したが、聴診時の音質などに課題があった。今秋の実用化に向け、改善を進めることにした。

 実証実験は太白区秋保町に医療機器を積んだ「診療カー」を派遣し、車内の模擬患者と約30キロ離れた場所の医師をつないだ。看護師が聴診音や超音波画像といった患者の情報をモニター越しに医師へ伝えた。

 実験に参加した市医師会の安藤健二郎会長は「4G(第4世代回線)の通信環境があればできると分かった」と強調。寝たきりの患者の移動や聴診する際の音質など、本格実施までの検討課題を指摘した。

 郡和子市長は終了後の取材に「安定的な医療提供体制の確保へ手応えを感じた。デジタル化を通じ、市民に便利な仕組みを構築する」と語った。

 市はオンライン診療の実用化に、国の「デジタル田園都市国家構想」交付金を活用する。医療法は診療場所を病院や診療所、患者の自宅に限っているため、当面は患者の自宅敷地内に診療カーを停車させる。

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