オンワード数百店閉鎖 ブランド低迷、11年ぶり赤字へ

アパレル大手のオンワードホールディングスは3日、不採算店舗を来年2月末までに閉店すると発表した。約3千店(海外の約300店を含む)のうち、数百店規模での閉店を検討しているという。市場の縮小やネット販売の浸透で、百貨店で展開するブランド「23区」や「組曲」などが低迷しており、大量閉店で構造改革を進める。この閉店による特別損失の計上で、2020年2月期は11年ぶりの純損失になる見通しだ。

 同社はこの日、店舗閉鎖による特別損失約220億円を計上することに伴い、20年2月期の業績予想を大幅に下方修正した。55億円の黒字を見込んでいた純損益は240億円の赤字(前期は49億円の黒字)に引き下げた。営業利益は55億円から12億円(前期比73・1%減)に下げた。売上高は2560億円(前期比6・4%増)で据え置いた。

 消費者の志向の変化で、お金の使い道の比重が衣料品から通信などに移っている。経済産業省などによると、17年の国内の衣料品販売は10・4兆円で、この20年で5兆円減った。市場の縮小で各社ともに苦戦しており、日本でも展開していた米ファストファッション大手のフォーエバー21は経営破綻(はたん)した。(佐藤亜季)

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