オープンキャンパス開催は「加計ありき」?…民進・桜井氏発言に学園側「明らかな事実誤認」と抗議

学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)による獣医学部新設計画をめぐり、同学園は、25日に開催された参院予算委員会の閉会中審査で民進党桜井充氏が、獣医学部の設置を目指す同学園傘下の岡山理科大のオープンキャンパスに言及した一連の発言に対し、「明らかな事実誤認があり、学園の名誉を著しく毀損(きそん)する」との抗議コメントを報道機関宛てに出した。

コメントは25日付。閉会中審査で桜井氏は、岡山理科大学で23日に行われたオープンキャンパスを「加計ありきではないかと感じた」として取り上げ、獣医学部(設置認可申請中)の来年度入試に関するパンフレットが配布されたことを問題視した。

「パンフレットまでできあがっている。ずっと前から準備していたわけですよ、一昨日のために」などと指摘した。

これに対し、同学園は「認可前のPR活動は不適切というニュアンスの質疑で事実誤認」などと反論している。

大学や学部を新設する場合、文部科学省による設置認可は開設前年の8月となる。このため、大学側は設置認可前に校舎建設やPR活動などを行うのが通例だ。文科省も認可前のPR活動について、関係書類に「設置認可申請中」「設置構想中」と明記するなど一定の条件下で認めている。

同学園は岡山理科大獣医学部の平成30年4月開学を目指し、文科省の大学設置・学校法人審議会に設置認可を申請中で、8月中に答申が出される。パンフレットでは表紙などに「設置認可申請中」と記載し、「変更になる場合がある」との注記も載せており、「ルールに従って適正に行っている」と説明している。

また、桜井氏は閉会中審査でパンフレットの一部記述を取り上げ、「『仮面浪人』とわれわれの時代呼んでいたが、それをして、大学受験することも可能ですよと言って集めている」と主張した上で、「『最先端』『国際的な獣医師の育成』とか、全然関係ない」「職業選択の自由がある」などと批判した。

しかし、この記述は同大の推薦入試について「他大学と併願可」「合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試で」と説明したもので、同学園は「『合格後』と『入学後』を勘違いした事実誤認」と指摘している。

さらに、桜井氏は「ある教授から」として、「来年4月には必ず開学できる、秋から正式に学生を募集する」との発言があったと主張し、「まだ設置審で認められてもいないのに、どうして学生に言えるのか。おかしな話だと総理は思わないか」と安倍晋三首相を追及した。

この“ある教授の発言”についても、同学園は「誰も断定的な発言はしていない。必ず前後に『予定である』『されるものと信じている』などの言葉が付されている」と主張している。

 

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