オールジェンダートイレ仙台にも オフィスビルや大学で設置広がる

使う人の性別を問わない「オールジェンダートイレ」が、仙台市内のオフィスビルや大学に広がりつつある。従業員や学生の多様性を尊重する取り組みで、公共施設でも導入が検討される。出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーや、異性の家族の介助が必要な人たちに選択の幅が広がりそうだ。

[オールジェンダートイレ]性別を問わず、誰でも利用できるトイレ。海外では男女共用が一般的という国もあり、国内では東京五輪・パラリンピックなどを契機に増えてきた。従来の多目的トイレは男女の区分がないケースが多いが、数は少なく、多機能を持たせたため混雑や使いづらさが指摘されていた。

公共施設でも導入検討

 NTT都市開発(東京)が今年11月の完成を目指す青葉区のアーバンネット仙台中央ビル。5~19階のオフィスフロア各階に男性、女性用、障害者用のトイレに加え、オールジェンダートイレを2基ずつ設ける。フロアごとにオールジェンダートイレのあるオフィスビルは全国でも珍しいという。

 同社の担当者は「従業員のダイバーシティー(多様性)を重視した。誰もが快適に気兼ねなく使えるトイレは、ビルの機能の一つとして入居予定者にも好評だ」と語る。

 宮城学院女子大(青葉区)はトランスジェンダーの受け入れを2021年度に始めた。全国の私立女子大の中では最も早い対応で、20年度に既存設備を改修し、男女の区別のない「みんなのトイレ」7カ所を整備した。現在は8カ所ある。

 入り口に掲げられたマークは生活文化デザイン学科のゼミなどで議論を重ねて考案した。英語で「オールジェンダー」と表記し、虹色のラインをあしらって多様な性を表現した。

 木野和代学生部長は「全ての学生の多様性を尊重した環境づくりに最善を尽くす。今後も増やしていきたい」と方針を示す。

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