カキ処理場、県内初再建 南三陸・志津川

宮城県漁協志津川支所(佐々木憲雄運営委員長)の共同カキ処理場が南三陸町志津川に完成し4日、落成式があった。東日本大震災で被災したカキ処理場の再建は県漁協で初めて。関係者約80人が出席し、佐々木委員長が「県内で一番早く完成した処理場を拠点に復興に向けスタートしたい」とあいさつ。震災後初の出荷に向け、関係者がテープカットで完成を祝った。
 共同カキ処理場は鉄骨平屋508平方メートルで60個のカキ処理台などを設けた。総工費1億3000万円は国の災害復旧補助事業やヤマト福祉財団(東京)の助成金が充てられた。
 震災前、同支所管内では約120人がカキ養殖に取り組み、約6億円の水揚げがあったが津波で全滅した。昨年6月から約90人がカキ養殖を再開。湾内の栄養環境が改善し、12月には出荷できる大きさに成長したが、処理場の再建が間に合わず出荷を見合わせた。
 志津川支所かき養殖部会の遠藤勝彦部会長(59)は「ボランティアなど多くの支援に後押ししてもらった。おいしいカキを送り出し、恩返ししたい」と話した。
 志津川湾のカキ水揚げは今月中旬に始まり、処理場でむき身に加工して出荷する。

タイトルとURLをコピーしました