カキ養殖場に国際認証 南三陸で国内初取得

宮城県南三陸町戸倉のカキ養殖場が30日、環境に配慮した養殖を後押しする水産養殖管理協議会(ASC、本部オランダ)の国際認証を国内で初めて取得し た。東日本大震災で養殖施設が被災したことを受けて実施した、養殖いかだを大幅に減らす漁場改革が奏功した。生産者や町は「南三陸ブランド」としてカキを 国内外に売り出す考えだ。
認証を受けたのは、県漁協志津川支所戸倉出張所のカキ部会37人が所有する志津川湾の養殖いかだ305台。県漁協が昨年10月、ASCに申請し、周辺の環境状況、労働環境などの審査を受けた。
カキ部会の後藤清広会長(55)は「被災地の新しい取り組みが認められてうれしい。認証取得がゴールではないので、今後も高品質のカキづくりを目指す」と話している。
カキ部会は震災後、持続可能な養殖を目指そうといかだを震災前の3分の1以下に減らした。漁場に余裕が生まれ、環境が改善。一粒一粒のカキに栄養が十分に行き渡るようになり、養殖期間も2~3年から1年に短縮した。
認証を受けた養殖場の年間生産量はむき身で約500キロを見込む。4月2日から東北、関東のイオンやイトーヨーカドーで販売する。
南三陸町の森林所有者は昨年10月、森林管理協議会(FSC)の国際認証を受けている。同じ自治体の養殖場と森林が国際認証を取得したのは世界でも例がないという。

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