カツオ豊漁、水揚げ量が早くも昨季超え 宮城・気仙沼港 秋も期待大

気仙沼市の気仙沼港で、生鮮カツオの一本釣りと巻き網を合わせた水揚げ量が25日時点で8800トンを超え、記録的不漁だった昨年の総量8378トンを上回った。平年以上の好調な出足で、27年連続の日本一達成に向けて関係者は期待を膨らませている。

 25日は一本釣り船11隻と巻き網船2隻の計13隻が約700トンを水揚げした。

 銚子沖で漁獲した70トンを水揚げした宮崎県船籍の第73真海丸(157トン)の中野慎三漁労長(41)は「豊漁の上に高値で取引され、昨年同期より1億円ほど高く売り上げている」と顔をほころばせた。

 気仙沼漁協によると、一本釣り船は6月末までビンチョウマグロを狙っていたが、7月に入りカツオへの切り替えが進んだ。巻き網船を含め、最近は連日200トンを超す水揚げが続く。サイズは2キロ前後の中小型が中心で、秋の戻りガツオ漁も期待できそうだという。

 漁業情報サービスセンター(東京)によると、日本沿岸に黒潮が北上して海水温が上昇し、温かい海域を好むカツオが来遊しやすくなっている。現在の主な漁場は常磐沖だが、今後三陸沖にも形成される見通し。

 今季はビンチョウの水揚げ額も東日本大震災以降で最高に達した。気仙沼漁協の臼井靖参事(59)は「昨年とは打って変わった好調な水揚げで、今後も勢いが続いてほしい」と願う。

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