東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県で被災者の証言を集めたドキュメンタリー映画「ネバーフォーゲット・ネバーギブアップ」が制作された。監督を務めたカナダ・トロント在住の中村行子さん(53)が16日、東松島市を訪れ、取材に協力した鳴瀬未来中の高橋裕子校長に完成を報告した。
テーマは震災という困難に立ち向かう人間の強さ。2011年5月中旬から、福島市の高校教員や東松島市の中学生、行政区長ら約30人にインタビューした。
テレビ関係の仕事をしていた中村さんは震災直後、宮城、福島両県で外国語指導助手(ALT)を務めていた2人の男性にトロントで会った。いったん帰国しながら、学校再開に合わせて被災地に戻る2人の行動に感銘を受け、映像制作で日本を支援しようと決めた。
高橋校長は震災時、被災した鳴瀬二中の校長だった。二中は今春、鳴瀬一中と統合され、鳴瀬未来中となった。
高橋校長の案内で旧二中を視察した中村さんは「被災した人たちが復興のためにどんな努力をしたのかを世界に伝えるとともに、後世に記録として残したい」と話した。
映画は18日、福島市の福島高で学校関係者を対象に公開される。石巻市河北総合センターでは19日午後6時半から、一般向けの上映会が開かれる。入場無料。