ガソリンがじわりと値上がりを続けている。
経済産業省は、7月3日現在のレギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均小売り価格が、先週より1円50銭高い1リットルあたり172円50銭だったと発表した。値上がりは7週連続。172円台になるのは、およそ1年ぶりである。
「政府は2022年1月から、高騰したガソリンなどの価格負担軽減策として補助金を導入しました。2023年5月は、ガソリン1リットルあたり168円を超えた分について、25円を上限に石油元売り会社に補助金を支給。この補助率が、6月から2週間ごとに1割ずつ段階的に引き下げられ、現在は1リットルあたり10円10銭が補助されています。この補助率縮小が値上がりのおもな要因ですが、9月末には補助自体が終了する予定なので、ガソリン価格はまだ上がるでしょう」(経済担当記者)
ネット上では
《いまの調子で値上がりが続けば200円(1リットル)を超すのも時間の問題だろう》
《田舎の町は車がないと生きていけない。燃費の少ない新しい車に乗り換えたいがお金がない》
《かつては100円くらいのときもあったのになー》
など悲嘆の声が多いが、そんななか、ガソリンの「二重課税」に対する批判もあがっている。
ガソリンは1リットルあたり揮発油税48.6円、地方揮発油税5.2円、石油石炭税2.04円、温暖化対策税0.76円の合計53.8円が、本体価格に上乗せされ、さらにそこに、消費税10%がかかっている。じつに、小売価格の50%近くが税金なのだ。
《過去最高の税収なのに二重課税をやめろ》
《補助金をやめるならガソリンに掛かっている税金もやめるべきだ》
と、怒りの声が続出するのも納得である。そして、多くの国民が訴えるのが「暫定税率の廃止」や「トリガー条項の適用」だ。
「道路財源の不足を理由に、1974年に『暫定税率(2010年以降は特例税率)』が導入され、1リットルあたり25.1円が上乗せされています。道路特定財源なのに、一般財源にも当てられていることから、廃止せよという声が根強いです。
『トリガー条項』は、2010年に当時の民主党政権で決まりました。連続する3カ月のガソリンの平均小売価格が、1リットルあたり160円を超えたとき、暫定税率の適用を停止するものです。いまの状況は、トリガー条項が適用されてもおかしくありません。2022年、当時の萩生田光一経済産業大臣は、トリガー条項適用に前向きでしたが、東日本大震災の復興財源に影響する、という指摘などがあり、断念しました」(政治担当記者)
ガソリン価格の高騰は、物流費などにも影響するため、庶民の生活に直結する。いまこそガソリン税の見直しが求められている。