経済産業省は9日、レギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均価格(7日時点)が前週から3・6円上がり、180・3円になったと発表した。180円を超えるのは2008年8月(181・7円)以来15年ぶり。政府が価格を抑えるための補助金を段階的に減らしていることに加え、原油価格の上昇や円安が響いたとみられる。
補助金は昨年1月、全国平均価格が170円を超えないよう1リットルあたり上限5円で始まった。政府が石油元売り各社にお金を出し、卸売価格から差し引く仕組みだ。翌2月のウクライナ侵攻で原油価格が跳ね上がると、政府は上限額を引き上げるとともに補助期間の延長を繰り返してきた。
経産省によると、昨年6月に215円に達した価格を補助金によって41・9円抑えたという。今年3月までの補助金の総額は3・1兆円に達しており、出口戦略として1月から上限額や補助額は徐々に下げられた。10月にはゼロにする方針だ。
いったん下がった原油価格は、再び上昇傾向にある。代表的な指標の米国産WTI原油先物価格は今年に入り1バレル=60ドル台後半になることもあったが、足元では80ドルを超えている。
経産省は9日、来週の平均価格を195・5円と予測し、10日以降の補助額を1リットルあたり12円と決めた。(伊沢健司)