ガソリンの小売価格が、1リットルあたり150円を超えた。3年5カ月ぶりの高水準だ。米国がイラン核合意から離脱し中東情勢が不安定になった影響が、ガソリン価格に及んだ。
レギュラーガソリンの全国平均が28日時点で151・0円に達した。6週連続で値上がりし、1週間前より1・9円高い。日本エネルギー経済研究所石油情報センターが30日発表した。
原油を原料とするガソリンの価格は、一昨年3月には112円まで下がっていた。
しかし、中東の産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)が昨年1月、ロシアなどの非加盟国と原油の協調減産を開始。原油の価格上昇が加速した。
さらに、米国がことし5月初旬、イラン核合意からの離脱を決定。対イランの経済制裁を再開する方針を示し、イラン産原油の供給が減る懸念が広がった。南米の産油国、ベネズエラの政治経済の混乱も原油価格を押し上げた。
国際指標の「米国産WTI原油」の先物価格は、3年5カ月ぶりの高値である1バレル=約71ドルを5月初旬に更新していた。この流れがガソリン価格に波及した。
ただ、足元のWTIは下落しており、29日は1バレル=66・73ドルで取引を終えた。OPECの加盟国と非加盟国が協調減産の見直しに入ったほか、シェールオイルの産地、米国で増産が進んでいることも原因だ。中東情勢に加え、これらの先行きも今後のガソリン価格に影響しそうだ。
ガソリンの小売価格
全国平均 151.0円
北海道 151.3円
東北 150.5円
関東 150.4円
中部 151.4円
近畿 150.5円
中国 150.3円
四国 148.3円
九州・沖縄 154.6円
(レギュラー1リットルあたり、石油情報センター調べ)