ガソリン高騰が車社会の地方を直撃 灯油も7年ぶり高値で暖房費増

ガソリン価格の高騰が止まらない。日本エネルギー経済研究所石油情報センターは27日、25日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)が1リットルあたり前週より2・7円高い167・3円だったと発表した。値上がりは8週連続で約7年ぶりの高値水準が続く。 【グラフ】ガソリン価格の上昇と共に、対ドル円相場にも動きが  来週も値上がりが見込まれ、通勤などで日常的に車を使っている人が多い地方の生活に影響が広がっている。  原油は高騰が続く。指標となる米国産WTI原油の先物価格は25日に一時、約7年ぶりに1バレル=85ドル台をつけた。経済活動の再開で原油需要が増えるが、中東やロシアなどの主要産油国の増産ペースは緩やかだ。産油国でつくる「OPECプラス」の会合が11月上旬にあり、追加増産が決まるかどうかが焦点になる。  石油連盟の杉森務会長は27日の会見で、「OPECプラスがどう動くかで変わるが、このままいくともう一段の値上がりはあるかもしれない」と話した。  長崎県は離島もあり輸送コストなどがかさむため、ガソリン価格が高めだ。五島列島の福江島(五島市)のあるガソリンスタンドでは1リットルあたり185円で販売している。経営者の男性によると仕入れ値は夏ごろに比べ10円以上あがった。全てを価格に転嫁できてはいない。「ガソリンは生活必需品なので、なるべく値上げ幅は抑えて、利益を減らしてギリギリでやっている」と話す。  暖房用の灯油の値上がりも懸念される。同センターによると、灯油はタンク1個分の18リットルあたりで前週より50円高い1910円と、約7年ぶりの高値だ。  札幌市の市民団体や労働組合でつくる協議会は15日、低所得者向けに灯油代の助成などを求める要望書を市に出した。真冬でもストーブを数時間しかつけられず、室内でコートなどを着て過ごす人も少なくないという。協議会の村井勇太事務局長は「灯油の高騰は所得が低く弱い立場の市民にとって命にかかわる」と訴える。

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