総務省が発表した「平成29年版 情報通信白書」によると、2016年における日本国内のスマートフォンの個人保有率は56.8%、携帯電話・PHS(フィーチャーフォン、ガラケー)については個人保有率33.6%となっている。もはや完全にスマートフォンが優位となっているわけだが、その一方でフィーチャーフォンの販売成長率が上昇していると報じられ、話題となっている。
イギリスのニュースサイト「sky news」によると、2017年の世界的なスマートフォンの売上は前年比2%増だったが、フィーチャーフォンは前年比5%の売上増だったという。さらに同サイトは、その背景にスマホにおける「SNS疲れ」があると分析している。このニュースを日本のニュースサイト「Gigazine」が紹介。その後、まとめサイトなどにも取り上げられるなどして、日本のネット上で注目を浴びている。
「販売成長率」とは、前年に比べてどれくらい売上がアップしたかということであり、単純に“スマホよりガラケーの方が売れている”というわけではないが、ガラケーを買う人が増えつつあることは間違いなさそう。この事実についてSNSでは、ガラケーの電池の持ちの良さや操作のシンプルさが快適だと感じているとの声が多く、納得の様子。また、たしかにSNS上のつながりに煩わしさを感じているというネットユーザーも多かった。
実際につい最近ガラケーを新たに買い直したという30代の女性会社員Aさんに、話を聞いた。
「これまで使っていたスマホからガラケーに機種変して、それとは別にタブレット端末を購入しました。元々外で仕事をすることが多く、ポケットWi-Fiを常に持ち歩いているので、データ通信はタブレットに完全移行しました」(Aさん、以下同)
Aさんによるとガラケーは「とにかく使いやすい」という。
「操作は簡単だし、通話もしやすい。充電の減りも遅い。LINEやTwitterはタブレットの方で使っていて、なんとなく気が向いた時にポケットWi-Fiで繋げてチェックする感じです。LINEで仕事の連絡もしますが、そもそも急用がある場合は、電話を使うので、そこまで頻繁にLINEをチェックする必要もないんですよね。ガラケーにしたことでSNSを見る頻度がかなり低くなって、なんだか気もラクになりました」
LINEでしか連絡してこない人もいるため、完全にガラケーだけに移行するのは難しいというAさん。しかし、「本当に重要なことは電話がかかってくるし、しっかり丁寧に連絡したいことはメールで送られてくる」と、ガラケーとパソコン、もしくはタブレットがあれば、スマホが絶対に仕事に必要というわけではなさそうだ。
スマホに縛られる生活に息苦しさを感じている人も多い昨今、一度スマホと距離を置いてみるのもいいのかも?
(小浦大生)
■関連リンク
・’Dumb phone’ sales on the rise as smartphone users hope to switch off
https://news.sky.com/story/dumb-phone-sales-on-the-rise-as-smartphone-users-hope-to-switch-off-11476323
・「スマホ疲れ」の影響か、フィーチャーフォンの販売成長率がスマホを上回る – GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20180825-dumb-phone-sales-rise/
・総務省|平成29年版 情報通信白書|表紙
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/index.html