キャンプ人気が再燃=手ぶら、冬場も、楽しみ多様化

1990年代半ばに団塊世代がけん引したキャンプ人気が、再び高まっている。親子連れ中心の一般的なキャンプに加え、近年は手ぶらでの豪華なテント泊、1人でのキャンプなど、さまざまな楽しみ方が登場。市場拡大を見込み、関連商品の製造販売に新規参入する企業も増え始めた。

日本オートキャンプ協会(東京)の推計によると、車を利用したオートキャンプの2017年の参加人口は840万人と5年連続で増加。このうち約2割が経験1年未満の初心者という。かつてキャンプ人気を支えた人たちの子どもで「団塊ジュニア」と呼ばれる世代が、最近のブームのけん引役だ。

同協会関係者は「インターネット交流サイト(SNS)でキャンプ中のおしゃれな情景を発信したり、冬場にキャンプをしたり、楽しみ方が多様化している」と指摘。90年代とは違った愛好者の裾野の広がりが、キャンプ人気の定着につながればと期待する。

初心者層を中心に人気なのは、近年急速に増えている「グランピング」と呼ばれるキャンプ形式だ。あらかじめ設営されたテントに家具などが用意され、ホテルに泊まる感覚で気軽に楽しめる。アウトドア用品販売のスノーピーク(新潟県三条市)は昨年6月、京浜急行電鉄と組んで神奈川県横須賀市に常設のグランピング施設をオープン。今後は専用商品の開発にも力を入れる。

関連商品の製造販売に新規参入する動きも目立つ。老舗アパレル企業の三陽商会は今春、初のアウトドア向け衣料ブランド「5LAKES&MT」を立ち上げた。またスポーツ用品販売のアルペンは4月末、新業態のアウトドア専門店を愛知県春日井市にオープン。他県から訪れる顧客も多いという。水野敦之社長は「非常に好調」と自信を見せており、今後も同様の店舗を増やす方針だ。

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