仙台市教委は12月2日、2020年3月に閉校した大倉小(青葉区)の跡地利活用に向け、民間事業者と対話して具体的な提案や意欲を把握する「サウンディング型市場調査」に乗り出した。大倉ダムのほとりにある風光明媚(めいび)な立地を生かし、キャンプ場などの運営を想定する。
旧大倉小は区西部の山間地に位置し、市中心部からは車で約40分。敷地は広さ約1・9ヘクタールで、鉄筋コンクリート2階の校舎や体育館は老朽化が激しく、解体する予定。隣接する大倉ダム湖畔公園(約2・8ヘクタール)は滑り台やバリアフリートイレ、駐車場を備え、一体的に利用できる。
年間60万人前後が訪れる定義如来西方寺の途上にあり、観光で立ち寄るスポットとして期待。ダム湖の対岸にある大倉ふるさとセンターはカヌーやキャンプを楽しむ人の拠点となっており、連携も望める。
活用方法は、キャンプ場やパークゴルフ場といったスポーツ・レクリエーション施設を基本としつつ、地産地消のレストランなどを含め、にぎわいの創出や憩いの場となる多彩なアイデアを求める。民間資金を活用する「PFI方式」、官民連携の「PPP方式」の導入を検討する。
2~26日に参加事業者を募り、来年1月7~17日に活用の方向性、市場性の有無について意見交換する。1月下旬に内容を公表し、今後の事業展開に生かす。
大倉地域連合町内会の小林守会長(81)は「校舎が廃虚として残るのは困る。子どもらの遊び声が響くような場に再びなればうれしい」と希望を語った。