ビール大手４社の１０月のビール類（ビール、発泡酒、第３のビール）の販売状況が１２日、出そろった。第３のビールが好調だったキリンビールは１４％増と大きく伸びた。一方、アサヒビールは前年同月比４％減、サントリービールが５％減、サッポロビールは３％減となった。業界推計によると、市場全体の販売は２カ月ぶりに前年同月比プラスに転じたもようだ。
キリンは第３のビールの販売が前年同月比５０％増を記録した。今年３月に発売した第３のビールの新商品「本麒麟」が好調を維持したことに加え、既存商品の「のどごし」シリーズが微減にとどまったことが要因だ。こうした第３のビールの好調が前年実績を下回ったビールや発泡酒の販売をカバーした。
これに対してアサヒは今春実施した業務用ビールの値上げによる需要低迷などが響き、「スーパードライ」などを含めた主力事業のビールが４％減となった。
またサントリーは主力ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」は前年並みを維持したものの、「ザ・モルツ」が落ち込んだ。第３のビールでは昨年発売した高アルコールの「頂〈いただき〉」が減少した。
サッポロは「黒ラベル」の好調でビールは５％増となったが、第３のビールの「麦とホップ」が２０％減と、厳しい状況が続いている。
