キリンビールは26日、糖質ゼロ、プリン体もゼロのいわゆる「ゼロゼロ」の第3のビール「のどごしオールライト」を来年1月27日に発売すると発表した。100ミリリットル当たり20キロカロリー以下のカロリーオフとするなど、健康志向の機能も前面に打ち出した。
ゼロゼロのビール類は現在、大手4社が発泡酒として販売しているが、現時点では第3のビールの商品はなく、今回のキリンが唯一となる。350ミリリットル缶の店頭税抜き価格が145円程度と、発泡酒よりも20円程度安くなることから、ゼロゼロ発泡酒ユーザーの取り込みも狙う。
「ゼロゼロ」の第3のビールは、サッポロビールが平成25年6月に「極ZERO」を初めて投入した。しかし、今年に入って製法などをめぐり、第3のビールでない可能性を国税庁から指摘されたことを受け、製造・販売を中止。それまでの累計販売に対し、正規の酒税分と、第3のビールの税率による差額116億円を、国税庁に追加納付する異例の事態となった。
キリンはこの点も留意。関係者によれば、「さまざまな状況からサッポロで問題になったとみられる工程などは回避したほか、通常よりは慎重に国税庁とのやりとりをした」とし、第3のビールとしての販売に自信をみせる。ただ、製法については、特許申請手続きなどもあり、詳細は明らかにしなかった。
ゼロゼロ商品についてはサッポロが、7月に発泡酒の規格で、極ZEROを再発売した。これを受け、アサヒビール、キリン、サントリー酒類(現・サントリービール)も9月に「ゼロゼロ発泡酒」を投入。大手4社がそろい踏みとなるなど、注目を集めていた。発売で先行していたサッポロにキリンが迫り、現時点では2強体制となっている。
キリンは同じゼロゼロ商品でも、発泡酒はビールに近い飲み応えを求める消費者、第3のビールでは、ライトビール感覚で楽しみたい消費者に分かれるとみている。