キリンHD、小岩井乳業を完全子会社化 乳製品特化で経営立て直し

キリンホールディングス(HD)は28日、傘下の小岩井乳業の資本構造や事業構造を抜本的に見直すと発表した。キリンビバレッジや小岩井農牧社などが保有する小岩井乳業の株式をキリンHDが取得して事実上の完全子会社化する。さらにチルド(冷蔵)飲料事業を完全に切り離し、ブランド力の高いチーズやバターなどの乳事業に特化させる。乳製品事業は市場の低迷に加え、競争が激化しており、経営資源を集中させて経営の立て直しを図る。
 キリンHDは今月29日、キリンビバレッジが保有する51%、小岩井農牧社の25.4%の小岩井乳業株を取得。さらに11月30日に小岩井乳業からの第三者割当増資を引き受ける。一方、キリンビバレッジは来年1月にグループとして初のチルド専門製造会社となる「キリンチルドビバレッジ」を設立し、小岩井乳業のチルド製造事業を継承する。キリンHDは、小岩井乳業を直轄の子会社にして、経営改革を加速させる構えだ。
 一方、チルド飲料についてはキリンビバレッジが小岩井乳業に製造・販売などを委託していたが、来年1月以降はキリンチルドが製造を受託。販売・物流業務はグリコ乳業に委託し、経営を効率化する。

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