19日、クマが侵入し、13時間余りにわたってとどまったあと駆除された石川県加賀市のショッピングセンターでは、20日、搬入口の扉をこまめに閉めるなどの対策をとって営業を再開しました。 石川県加賀市作見町にあるショッピングセンター「アビオシティ加賀」では、19日、クマ1頭が侵入して施設内にとどまり、終日、臨時休業となりました。
警察の機動隊が出動して警戒にあたり、最初の通報から13時間余りがたった19日午後9時すぎ、施設内にいたクマを猟友会のメンバーが駆除しました。
加賀市によりますと、体長およそ1メートル30センチのオスのツキノワグマだったということです。
ショッピングセンターは20日、営業を再開し、午前9時半のオープンとともに買い物客が訪れました。
クマが侵入したとみられる搬入口の扉をこまめに閉めるようにしたほか、今後、警備員を配置する予定だということです。
訪れた女性は「いつも買い物をしている場所にクマが来るとは思いませんでした。とても怖かったですが、無事再開されてよかったです」と話していました。
また、テナントの従業員の女性は「びっくりしましたが、駆除されて安心しました。けが人がいなくてよかったです」と話していました。
石川県ではことし、統計を取り始めた平成17年以降で最も多い11人がクマに襲われてけがをするなど被害が相次いでいて、石川県は県内全域に10年ぶりとなるクマの「出没警戒情報」を出して警戒を呼びかけています。
クマ侵入から駆除までの経緯は
クマが侵入したショッピングセンターの施設を管理する「加賀コミュニティプラザ」の斉川健一業務部長は20日、報道各社の取材に応じました。
それによりますと、19日午前7時50分ごろ、ショッピングセンターの従業員が搬入口から倉庫の中へとクマが侵入するのを目撃し、すぐに警察に通報したということです。
まだ営業が始まる前で客はおらず、駆けつけた警察官の誘導で施設内にいた従業員全員が外に避難したということです。
その後しばらく、クマの居場所は分かりませんでしたが、19日午後5時ごろ、警察官が施設内の倉庫でクマを発見し、午後9時すぎ、猟友会のメンバーが駆除しました。
クマは倉庫の中の奥まった場所にいて、置かれていた商品に大きな被害はなかったということです。
斉川部長は「クマの動きが分からず、外に出たのか中にいるのか半信半疑だったので、居場所が分かったときはむしろ安心しました。クマが駆除されて安全は確認されたので、お客さんには安心して買い物に来てもらいたい」と話していました。