クマ出没時 大島へ署員派遣速やかに 気仙沼署が海上タクシー経営者に委嘱状

クマ

気仙沼市の離島・大島でクマの目撃情報が多発している問題で、気仙沼署は3日、不測の事態に速やかに対応するため、地元で海上タクシーを経営する畠山東治さん(74)に支援を求める委嘱状を交付、連携していつでも島に署員を派遣できる態勢を整えた。
同署によると海上タクシーとの連携は宮城県内初。同署の要望に応じ、同市三ノ浜の漁港に停泊している畠山さん所有の船舶(3.8トン)を24時間態勢で出す。協力期間は来年6月30日まで。
大島には駐在所員1人が常駐。交通事故や凶悪事件などが発生した際、気仙沼署から署員が派遣される。東日本大震災で使用していた警備艇が流失して以降、フェリーなどの運航時刻に合わせて上陸していた。
5月下旬からクマの目撃情報が増え、情報が寄せられるたび2人の署員を派遣している。より速やかに島に渡るため、海上タクシーと連携することにした。
3日にあった委嘱状交付式で山田代幸署長は「一刻を争う事態での足の確保は課題だった。島の安全に協力してほしい」と述べた。
畠山さんは地元の中学を卒業後、遠洋マグロ船の乗組員として活躍。約20年前から海上タクシーや釣り船を運航し、震災では沖出しをして船を守った。畠山さんは「仲間からもクマを見た情報を聞く。島の人たちを安心させたい」と話す。

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