東北森林管理局(秋田市)は27日、本年度のブナの結実調査結果を発表した。関東森林管理局管内の福島を除く東北5県で凶作、大凶作となった。ブナの実はツキノワグマなど野生動物の餌の一つで、凶作、大凶作により、クマなどの人里への出没が懸念される。
10月に143地点を調査。ブナが樹木全体で実っていたのは青森、秋田両県の各1カ所のみで、木の上部に多く実っていた「部分結実」も山形を除く4県の18カ所にとどまった。実がごくわずかだった「一部」は5県の57カ所、全くない「非結実」は5県の66カ所。一部と非結実を合わせると全体の86%に上る。
全体結実を5、部分を3、一部を1、非結実を0とした各県の豊凶指数は山形が0.4、宮城と秋田が0.7で、1を下回る大凶作だった。青森と岩手は1.2で凶作だった。
昨年度は5県とも大凶作で、豊凶指数に改善の兆しはあるものの、2年連続の凶作となった。