クライスラー再上場申請

【ワシントン=柿内公輔】イタリアの自動車大手フィアット傘下の米クライスラーは23日、米証券取引委員会(SEC)に株式の再上場を申請した。
 クライスラーは金融危機に伴う業績不振で、2009年4月に破産法の適用を申請。フィアットの傘下で再建を進め、11年に公的融資を完済し、公的支援から脱却を果たしていた。クライスラー単独での上場は、ドイツのダイムラー・ベンツ(当時)と合併する前の1998年以来となる。
 ただ、クライスラー株の58・5%を持つフィアットは完全子会社化も目指しており、残る41・5%の株を保有する全米自動車労組の年金基金と買い取り条件で合意できれば、上場申請が撤回される可能性もある。
 やはり経営破綻した米ゼネラル・モーターズ(GM)も10年に再上場を果たしており、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは23日、GMの格付けを「Ba1」から投資適格の「Baa3」に8年ぶりに引き上げた。
 緩やかな米景気の回復を背景に、フォード・モーターを含めた米大手3社の業績は好調で、米自動車業界の復活を改めて印象づけた格好だ。

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