【AFP=時事】南米パナマ沖で数日前から停泊中のクルーズ船内で乗客4人が死亡した。クルーズ船運航会社が27日に明らかにした。船内では138人の乗客乗員がインフルエンザのような症状を訴えていた。
オランダのクルーズ会社、ホーランド・アメリカ・ラインは、同社のクルーズ船「ザーンダム」で「4人の高齢の乗客が亡くなったことを確認した」と発表した。
乗客乗員1829人が乗っているザーンダムは3月7日にアルゼンチン首都ブエノスアイレスを出発し、21日にチリ首都サンティアゴ近郊のサンアントニオに到着する予定だった。14日にチリ最南部のプンタアレナスに短時間寄港した後、42人がインフルエンザのような症状に苦しんでいると報告して以来、複数の港で入港を拒否され、現在パナマ領海に停泊している。目的地は米フロリダ州だが、同地まではパナマ運河を通過する必要があり、27日にパナマ当局から通航を拒否されていた。
ホーランド・アメリカ・ラインは、ザーンダムの乗客1243人中53人と、乗員586人中85人の計138人が「インフルエンザのような症状があると同船の医療センターに報告した」と明らかにした。
同社は、新型コロナウイルス感染症の検査キット、生活必需品、救助隊員を乗せた別のクルーズ船「ロッテルダム」をパナマ海域に派遣した。健康な乗客や、症状を示した人に接触していない乗客のみを同船に移送し、体調不良の乗客と、乗員全員はザーンダムで待機させるとしている。 【翻訳編集】AFPBB News