クルーズ船下船者の再検査実施へ 仙台市、宮城県が対策会議

仙台市在住のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の下船者が、新型コロナウイルスに感染していることが確認され、市と宮城県は29日、それぞれ対策本部会議などを開き、対応を協議した。船内の検査では陰性だった県内在住の他の下船者8人に関し、県と市は今後、随時再検査を実施する方針だ。
 仙台市は午前10時半から危機管理連絡本部会議を開催。市内の感染確認に伴い、危機管理レベルを1から2に引き上げ、危機管理監がトップの危機警戒本部体制への移行を決めた。県と市が共同設置した電話相談窓口は相談員を増員した。
 主催イベントの延期や中止の判断基準などを定めたガイドラインは、適用期間を3月31日まで延長する。市有施設の利用予約を取り消した場合の使用料の全額返金も期間を延ばす。市有施設の一斉閉鎖は現時点では検討していないという。
 郡和子市長は「市民の不安の解消と感染拡大の防止に向け、県など関係機関と緊密に連携し、全庁を挙げて取り組む」と強調した。
 県は午前11時から対策本部会議を開き、情報収集を急ぐことを申し合わせた。当初3月11日までだった県主催イベントの縮小期間は31日まで延長。東日本大震災の追悼行事は記帳台の設置を取りやめ、献花用の仏花は使い回しをしない。
 3月2日以降も通常授業を行う予定だった特別支援学校は、早ければ2日から臨時休校にする。自宅で対応できない保護者の事情を考慮し、学校での子どもの受け入れは実施する。
 村井嘉浩知事は「クルーズ船の下船者ということではあるが、既に市中感染している可能性も否定できない。この1~2週間を重要な期間と捉え、対策に最大限の努力をする」と語った。

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