東北地方整備局は23日、2019年に東北6県の港湾にクルーズ船が寄港した回数が前年比14%増の91回となり、東日本大震災発生後の12年から8年連続で過去最高を更新したと発表した。東北の観光資源に対する関心の高まりなどを背景に、外国船の寄港回数が大きく伸びた。
同局によると、外国船籍が前年比57%増の47回、日本船籍が同12%減の44回。外国船が日本船の寄港数を初めて上回った。港湾別では、青森港(青森市)が27回で最多。秋田港(秋田市)の21回、仙台港(仙台市)の11回が続いた。
19年に東北に初めて寄港したのは6隻。英国船籍のクイーン・エリザベス(9万901トン、乗客定員2081人)やイタリア船籍のコスタ・セレーナ(11万4261トン、同2930人)などの豪華客船もあった。
東北では震災後、大型船受け入れに向けた岸壁の延伸やクルーズ船専用のターミナル整備が進んだ。自治体や関係機関による誘致活動も奏功し、東北の自然や祭りに対する観光客の関心が高まっているという。
整備局の担当者は「東北はリピーターも多く、国内外が目を向けている印象。需要がさらに伸び、観光による東北の復興につながってほしい」と期待する。