普段なにげなく使っているクレジットカードですが、その券面に記載されている数字には、それぞれどんな意味があるのでしょうか?世界に同じものが2つとない、クレジットカード番号の仕組みについて解説します。
■カードの券面には何が記されているか
クレジットカードのオモテ面にはカード名のほか、国際カードブランドのロゴ(Visa、MasterCard、JCBなど)、カード番号、カード名義人のローマ字表記、カード有効期限などが記されています。
これらは基本的にエンボス(凹凸)加工で印字されていますが、最近ではカード面に凹凸のないエンボスレスカードも増えてきています。これはクレジット決済時にエンボス部分を転写することが少なくなったからです。
またクレジットカードが共通ポイントのカードを兼ねていたり、電子マネー機能が搭載されている場合は、そのことを示すロゴも記されています。銀行のキャッシュカードとの兼用カードでは銀行口座番号も記されています。
カードの有効期限は「月/年」の順番で記され、たとえば2021年3月までの有効期限なら「03/21」という表記になります。日本での一般的な表記順と逆なので、ネットでのクレジット決済で有効期限を入力するときは間違えないように注意してください。
一方、カードのウラ面には、署名欄のところに3桁のセキュリティコードが印字されています(アメックスはオモテ面に4桁のセキュリティコード)。これはネットでの決済時にカードの現物が手元にあることを証明するため、セキュリティコードを入力するのです。
そのほかクレジットカードに共通ポイントカード機能や電子マネー機能が付帯している場合、それらの機能にリンクする番号やバーコードがウラ面に印字されています。
■最初の6桁がカードの種類を示している
クレジット決済で最低限必要な情報は、カード番号、カード名義人のローマ字表記、カード有効期限ですが、そのうちそのカード固有のものなのがカード番号です。これは最初に述べたように世界に同じものが2つとなく、確実な決済を行うための要となっています。
カード番号の桁数はVisa、MasterCard、JCBは16桁、アメックスは15桁、ダイナースクラブは14桁です。番号は区切られて表記されており、Visa、MasterCard、JCBは「4・4・4・4」、アメックスは「4・6・5」、ダイナースクラブは「4・6・4」の区切りとなっています。
番号の付け方は「ISO/IEC 7812」という国際規格に従ったもので、最初の6桁でカード発行会社やカード名などがわかるようになっています。つまり同じ種類のカードなら先頭から6桁までは同一の数字です。
ANAカードを例に上げると、4980-01ならANA VISA一般カード、5334-01ならANAマスター一般カード、3540-12ならANA JCB一般カード、3759-87ならANAアメリカン・エキスプレス®・カード 一般になっています。
この6桁の数字は「BIN(銀行識別番号)」または「IIN(発行者識別番号)」と呼ばれ、そのうち1桁目は「MII:主要産業識別子」といい、カード発行会社の産業分類を示します。
ほとんどのクレジットカードは、金融関連のMIIと定義されている「3」「4」「5」をカード番号の先頭に持っており、JCB、アメックス、ダイナースクラブカードは先頭に「3」が、Visaは「4」が、MasterCardは「5」がきます。
■カード番号の最後の桁は入力ミス確認用
どのクレジットカードでも、カード番号の最後の桁は「チェックデジット」と呼ばれる数字になっています。これは、ネットでのクレジット決済時にカード番号の入力ミスがないかチェックするためのものです。
これにより入力ミスを100%なくせるわけではありませんが、カード番号に加え、カード名義人、有効期限、セキュリティコードが一致しなければならないので、他人が自分のカード番号で決済したり、その逆に自分が他人のカード番号でうっかり決済してしまうことはないため、クレジットカードは非常に安全性の高い決済手段と言えます。
ただしカードの署名欄にサインをしていない場合、紛失・盗難の被害にあったカードが不正利用されても補償が適用されないので、その点は十分注意してください。新しいカードが届いたときは、すぐにサインしましょう。
■カード番号の最後の桁は入力ミス確認用
クレジットカードの番号の意味を知ったら、ぜひ自分のカードを見て確認してみるといいですね。使用していない、整理したほうがいいカードが見つかるかもしれません。
(提供=ANA Financial Journal/ZUU online)