東北工大の3年生6人が柴田町の名産になることを願い、桜のクレープとゆずのクレープを開発した。町の象徴の一目千本桜や北限のユズを生かし、インスタ映えするスイーツに仕上げた。10日にJR仙台駅前、15、16日には大学祭で販売。6人は自信作の売れ行きや、味わった人たちの生の反応を楽しみにしている。
1個650円
桜のクレープは桜あんを用い、ピンクのチョコを花吹雪のように散らした。一番上にはイチゴをのせた。ゆずのクレープはチョコバナナにユズをまぜ、風味を感じられるようにした。柴田が春の桜、秋の菊に代表される「花のまち」であることから、キク科のコレオプシスをかたどった黄色いチョコをあしらった。
クレープ作りは大河原町の「カフェ&クレープ チルボン」に特訓してもらった。「1日で100枚以上生地を焼いた人もいた」と本田明莉さん(20)。千葉駿佑さん(20)は努力の結果「『店で出しても大丈夫』と言われた」と胸を張る。
きっかけはライフデザイン学部経営コミュニケーション学科の講義。本年度は柴田町の地域活性化をテーマにし、花の季節に限らない通年のにぎわいを目指すブランド戦略として、名物を生かすクレープ作りに行き着いた。
柴田町も2度訪問し、滝口茂町長にも会って協力の約束を取り付けた。町は活動に賛同し、収穫が11月のため入手しづらいユズの冷凍品確保などを支援した。
デビューの時期が迫る。仙台駅前は午前10時~午後6時、大学祭は両日とも仙台市太白区の八木山キャンパスで午前10時~午後3時に1個650円で販売する。高橋悠河さん(20)は「他には絶対にない味なので、この機会に味わってほしい」とアピールする。
大学祭では味や値段などを来客にアンケート。好評の場合、チルボンでの期間限定販売、町の冬のイベントへの出店などが予定されている。担当教員の佐藤飛鳥准教授は「予定数を売り切ることが目標ではない。地域の活性化につながる商品として柴田町で使ってもらえたら」と話す。