グリーンインフラ大賞 最優秀賞に仙台の「ふるさとの杜再生プロジェクト」

 東日本大震災で被災した仙台市沿岸部の緑の再生を目指す「ふるさとの杜再生プロジェクト」が、第1回グリーンインフラ大賞の防災・減災部門で、最優秀の国土交通大臣賞に選ばれた。市が展開する官民協働のプロジェクトで、植樹会や自然観察会の開催を通じ、沿岸部と他地域のつながりを深めた点が評価された。
 津波からの多重防御を担う海岸防災林の育成が主な活動。おおむね30年をプロジェクト期間とし、間もなく第1期(2011~20年度)が終了する。
 2013年に始めた植樹会は計11回開催し、約3000人が参加。約2万4000本の苗木を植えた。育樹会も計25回実施し、約1200人が除草に汗を流した。
 地元町内会や市民団体、企業などでつくるプロジェクト連絡会議の佐藤修会長(73)は「震災10年の節目に多くの人の思いが結集した取り組みが評価され、うれしい。今後は緑の手入れが活動の中心となる。受賞を励みに防災教育と森づくりを進めたい」と語った。
 大賞は、自然環境が持つ機能を社会課題の解決に生かす「グリーンインフラ」の取り組みを表彰する。全国の官民連携団体が20年度創設した。4部門に117件の応募があり、再生プロジェクトなど5件が国土交通大臣賞に輝いた。

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