ケータイ料金を滞納したらクルマのローンが組めなくなった…。その理由とは?

先日発表されたケータイキャリア主要3社の夏モデルは、そのほとんどがスマートフォン(スマホ)。日本のケータイ市場は、ますますスマホへの集中が進んでいる。しかし、そうした裏側で利用料金の滞納件数が増えているという。
ケータイジャーナリストの石川温氏は、その原因を以下のように分析する。
「販売競争が激化するなか、『実質0円』という売り方もあり、“何万円もする商品を買っている”という意識が希薄なんですよね。加えてスマホはパケット定額が当たり前で、ケータイ料金と一緒に請求されるコンテンツやゲームの料金を含めると、月々の請求額は大きく膨らみます。そうしたことも滞納増加の一因になっているのではないでしょうか」
ただ、通話料金やコンテンツ利用料を滞納しているうちはまだマシ。実はそれにプラスしてケータイの端末代金を分割払いしている場合は話がまったく別になり、契約者の社会的な信用がガタ落ちする可能性さえあるのだ。
その理由は、ケータイ本体を分割払いで購入すると、個人情報が国の指定信用情報機関に登録されてしまうから。そして、毎月のケータイ料金を滞納してしまうと、料金と一緒に支払う端末代金の割賦金も滞納したと見なされ、その情報が信用情報機関に記録されてしまうのだ。
そもそも、なぜ分割払いだと個人情報や支払い状況が登録されるのか? 指定信用情報機関、シー・アイ・シーに聞いた。
「2010年12月、改正割賦販売法が施行されました。この改正で、消費者の支払い能力を超えた販売が行なわれないよう、分割払いでの商品購入についても規制が強化されました」(シー・アイ・シー経営企画部)
この改正によってケータイの分割払いも対象になり、分割払い契約の個人情報や支払い状況など、いわゆる「信用情報」を登録することが義務づけられた。そうした状況で端末代金を滞納した場合、何が起こるのか。前出のシー・アイ・シー経営企画部が説明する。
「ケータイ本体の分割払いも、クレジットカードでの買い物の支払いも、“未払い”という意味では同じで滞納の記録が残ります。そうなるとお客さまがこれから代金後払い(カード・分割・ローンなど)の契約を結ぶ際に非常に不利になるケースがあるのです。クルマのローンなどの契約を結ぶ際、加盟する会員各社は必ず信用情報をチェックします。そこで滞納の記録があると、ローンの審査が通らない可能性も出てくるのです」
シー・アイ・シーのデータによると、分割払い契約において3ヵ月以上の未払いを示す「異動情報」は、去年3月の104万件が、今年3月には160万件へと約6割も増えている。自分が毎月支払っているのは、通話料だけなのか、端末料金の分割料金も込みなのか、もう一度確認しておいたほうがよさそうだ。
■週刊プレイボーイ27号「ケータイ代滞納“ブラックリスト入り”の恐怖」より

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