ゲームで楽しく介護予防 仙台のイートス、東北福祉大と開発

ソフト開発のイートス(仙台市)は、高齢者向けの介護予防ゲームソフト「リハクト」を東北福祉大などと開発した。専門的な機能解析に基づいた運動を楽しむことで、転倒防止につながる筋力が向上する。近く市販し、自治体や福祉施設などでの普及を目指す。
 ソフトは、大型テレビなどのモニターと市販のゲーム用センサーを組み合わせて使用する。プログラムされた音声で指示を出し、高齢者の動作をセンサーが感知してモニターに反映させる。
 「風船割り」「綱渡り」など4種のゲームを内蔵。グループで交代しながら20分程度運動することで、太ももやひざ、足の指などの筋力が鍛えられるよう配慮した。身体能力に合わせ、難易度も選択できる。
 ゲーム結果を点数などで記録する機能を付加し、達成感を味わえるよう工夫した。インターネット回線とビデオカメラを使えば、専門家が利用者を遠隔指導することも可能だ。
 ソフトは東北福祉大の佐藤啓壮講師が発案した。東日本大震災被災地で高齢者の運動を指導した経験に基づき、「指導員なしでも効果的な運動を続けてほしい」と同種ゲームを自作。イートスなどと組み、13年春に市販に向けた開発を始めた。
 復興支援に取り組む東京のIT企業「富士通システムズ・イースト」の協力を受け、仙台市内の高齢者の意見を取り入れて商品化にこぎつけた。
 佐藤講師は「高齢者の運動を指導できる人材は少ない。ソフトを使えば、自治体などが人件費をかけずに介護予防に取り組むことができる」と強調する。
 ソフトは宮城県七ケ宿町が試験導入し、既に町の施設で活用している。開発に携わった2社が販売も手掛け、価格は単体で数十万円程度になる見込み。イートスは「高齢者向け住宅の管理会社などにも売り込みたい」と話している。

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