コスパ、タイパの次はスペパ! 仙台、コンサルの研修が好評 空間の有効活用で生産性アップ

仙台市の整理収納コンサルティング業「いつも楽しいbreakthrough(ブレークスルー)」が提供する研修事業が、職場環境の改善に取り組む企業から好評を得ている。限られた空間を最大限活用する「スペースパフォーマンス(スペパ)」の概念に基づき、効果的な整理収納法の定着をサポート。探し物をする時間や物品の無駄な発注を減らし、企業の生産性向上につなげている。(経済部・手代木みずき)

 スペパは、コストパフォーマンス(コスパ)やタイムパフォーマンス(タイパ)に続く新たな概念で、若い世代を中心に注目を集める。スペースを有効活用することで探し物の手間や時間、ストレスを省く。

 ブレークスルーは「スペパ向上研修」と題し、顧客企業のオフィス内や店舗内で、複数回にわたり研修を実施する。備品の置き場や消耗品の発注法を見直し、無駄のない持続可能な仕組みを整えることを目指す。

 仙台市青葉区のどんぐり整骨院八幡本店では10月下旬、ブレークスルー代表の伊藤恵子さん(49)による現場指導があった。整骨院の社員らが約1カ月かけて整理したカウンター内や倉庫内を伊藤さんが点検し、改善点をアドバイスした。

 社員らは9月中旬に受けた研修の内容を踏まえ、店舗内の収納法を検討。カウンターの下にあるカルテや使用頻度の低い文房具などを背後の棚に移し、カルテはしゃがむことなく取り出せる位置に並べた。棚の上部にある物販コーナーは商品の種類を絞り込んだ。

 整骨院の椎名亮文社長(50)は「少ない動作で効率よく作業できる職場に変わり、社員も仕事に前向きに取り組むようになった」と研修の成果を喜んだ。

 伊藤さんは2016年にブレークスルーを設立。仙台市を拠点に、家庭向けの整理収納セミナーを手がけた。21年ごろから中小企業向けの研修を実施。宮城県内を中心に、これまで約20社を支援した。無駄な発注を減らし、経費削減につなげた事例もあるという。

 伊藤さんは「スペパの視点を持つことで所有物を厳選し、普段の習慣を見直すきっかけにもなる」と説明する。

 コンサルティング料は月額3万3000円から。企業研修5回コースや単発セミナーといったサポートプランもある。連絡先はブレークスルー090(7119)0206。

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