コメ、主食の座危うし…購入額でパンに抜かれる

 コメの消費量が減少の一途をたどっている。
 農林水産省の調査によると、2011年度に国民1人が食べたコメの量は57・8キロ・グラムで、過去最低を更新した。総務省の家計調査でも2人以上の世帯が11年に「コメ」を購入した金額は「パン」に初めて抜かれ、長年維持してきた「主食」の地位が揺らいでいる。
 1人あたりのコメの年間消費量は、1962年度の118・3キロ・グラムをピークに右肩下がりを続け、ここ数年は半分以下の59キロ・グラム前後に低迷していた。
 11年のコメの購入額は、前年比4・1%減の2万7425円だったのに対し、パンは0・5%増の2万8321円と上回った。コメとパンの購入額は、01年には1万円以上の差があったが、10年間で逆転した。
 背景には、日本人の食生活やライフスタイルの変化がある。消費者がパンやパスタなどのめん類を食べる機会が増える一方で、「肉などのおかずを多めに食べて、ご飯の量を減らす傾向がある」(農水省幹部)こともコメの消費が落ち込む一因となっている。

タイトルとURLをコピーしました