コメ作況 平年並み 「需給に支障なし」

農林水産省は二十八日、二〇一一年産水稲の全国の作況指数(九月十五日現在、平年作=一〇〇)について、一〇一で「平年並み」だったと発表した。指数が一〇〇を超えたのは三年ぶり。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の三県は一〇二~一〇三でいずれも「やや良」だった。
 東京電力福島第一原発事故の影響が供給面に及ぼす懸念もあるが、来年六月末の流通在庫は例年並みが確保される見通し。農水省は「需給に特段の支障は生じない」とみている。
 今年は五月下旬~六月中旬に日照不足の影響があったが、その後の天候はおおむね順調だった。全国的に大きな被害をもたらした九月下旬の台風15号の影響は反映しておらず、農水省は「収穫間近の地域が多く、数量より品質への影響があるのでは」と指摘する。
 作付面積(主食用)は、百五十二万六千ヘクタールと前年から五万四千ヘクタール減少。同省は、東日本大震災の被害も影響したが、戸別所得補償制度の浸透が大きいとみている。予想収穫量(同)は八百十五万九千トンで、需要見通し(今年七月~来年六月)の八百五万トンより約十一万トン多い。
 そのため来年六月末の流通在庫は、今年六月末の百八十二万トンから百九十三万トンに増える見込みで、過去五年間の平均の百九十一万トンと同水準。仮に福島県全体のコメが出荷されなかったとしても三十五万トンで、在庫で十分賄える計算という。

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