宮城県は10日、2011年産米の放射性物質を調べる収穫後の本検査で、角田市の6地点で採取した玄米から放射性セシウムを検出しなかったと発表した。9日の判明分を含め、角田市の全13地点は不検出だった。県は「安全が確認できた」として、市全域の出荷自粛措置を解除した。県内で本検査が終了したのは角田市が初めて。
不検出だったのは、9日に玄米を採取した角田市の旧桜村の2地点、旧西根村、旧北郷村、旧東根村、旧枝野村の各1地点。いずれもセシウムが存在しないか、測定下限値(1キログラム当たり20ベクレル)を下回った。ほかの7地点は9日、「不検出」と発表した。
県は10日、角田市とみやぎ仙南農協に測定結果を報告した。同市内の11年産米は収穫したコメから等級を決める農産物検査を経て出荷される。同市付近は9月中旬から下旬、稲刈りの最盛期を迎えるとみられる。
県内各地の本検査は9月下旬まで続く。県農林水産部は「角田市で全てセシウムが不検出だったのは一安心だが、油断はできない」と話した。
収穫前の予備検査は10日までに大崎、石巻など4市5町で終了。県は、本検査で安全が確認されるまで出荷自粛するよう各農家に要請している。