目指すのはコメのブランド化か、低コスト化か。環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に伴う県内農業への影響が懸念される中、18日の宮城県議会2月定例会の環境生活農林水産常任委委員会で、宮城のコメ政策の将来像をめぐる議論があった。
質問したのは登米市選出の只野九十九氏(自民党・県民会議)。「従来通り食味の良いコメを作り、高く売ることを目指すのか。経費の掛からないコメ作りを追求するのか。県の姿勢をはっきりすべきだ」と切り込み、選択を迫った。
県は農薬や化学肥料の使用を抑えた環境保全米をはじめ、コメのブランド化、付加価値化を推進してきた。一方で、稲作の省力・低コスト化を図るため、圃場に直接、種をまく直播栽培と農地の大区画化を奨励する。
只野氏は「金の掛かるブランド化と低コスト化は正反対だ」と指摘。山形県産「つや姫」をはじめ他県ブランドに押され気味の宮城米の現状を踏まえ、「ブランドにこだわらず、低コスト化に主軸を移すことも検討する時期ではないか」と詰め寄った。
山田義輝農林水産部長は「高く売れるコメ作りと、低コストのコメ作りによる安定生産という両面を目指しつつ、農協とも相談しながら今後の方向性を検討する」と理解を求めた。