コレステロール=悪い物質は大間違い?むしろ健康美のもとだった

コレステロールは健康によくないものというイメージを持っていませんか?血中コレステロール値が高いと、動脈硬化が起きて心筋梗塞や脳梗塞など様々な病気にかかるおそれがあると一般的には思われています。

しかしそれは早合点。じつはコレステロールは、私達の体になくてはならない脂質成分のひとつで、神経細胞の働きを高める大切な栄養素なのです。また、細胞膜やホルモンなどの成分でもあります。

●コレステロールは恋とハッピーを引き寄せる

いつまでも若々しく健康で美しくかっこよく、という願いを叶えてくれる女性ホルモンや男性ホルモンは、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)というホルモンから作られているのですが、なんと、このDHEAの原料はコレステロールなのです。

女性の多くは、ダイエットをして痩せて美しくなるという発想を持っていますが、その考えは甘い、というより、かえって逆効果になりかねません。

なぜなら、必要以上に脂質成分をそぎ落してしまうことは、女性らしさを輝かせ、健康をつかさどる大切な女性ホルモンまでそぎ落としてしまうことと一緒だから。

つまり、女性らしいボディラインを崩してしまううえ、より老けやすく太りやすくなってしまうわけです。

適 正脂肪こそが恋とハッピーを引き寄せる基本中の基本です。ちなみに、BMI(肥満度指数)が 18.5未満だと痩せ型で、とくに女性の場合、17%を切ってしまうと月経不順や無月経を招くことにもなります。若くして更年期障害に陥ることもあるそう なので、ホント無理なダイエットはやめましょう。

●悪玉コレステロールは本当は良いヤツだった

美と健康に必要不可欠な物質コレステロール。じつは、このコレステロールを全身の細胞に送り届ける働きをするのが悪玉コレステロールです。言うまでもなく、この働きなしには健康生活を送ることはできません。

一方、この悪玉コレステロール(※以下LDL)こそが、血管壁にたまって動脈硬化をひきおこす(名前からしても)悪の物質だと一般的には思われています。

しかし、そうしたことが起きて病気のリスクが高まるのは、LDLが酸化して「酸化LDL」になったときです。

白血球にあるマクロファージは酸化LDLを異物と認識します。そしてそれを除去しようとしてどんどん食べていきます。それらを食べて死んだマクロファージが血管壁にたまっていって、動脈硬化の促進につながっていたのです。

LDLが酸化すると、神経細胞にも栄養が行きわたらなくなり、それが脳機能の低下にもつながります。

そのため、検診のLDL値だけを見て一喜一憂するのはちょっと考え物で、実際、LDLの数値が基準内でも、酸化LDLは多いという人もいるそうです。

●食事制限は無意味だった

コ レステロールが高いことで卵をひかえるなど食事制限をしている人も多いと思います。しかし、コレステロールの80~90%は体内で合成されていて、食事で の影響は約10%にすぎません。しかも、多少コレステロールを多く摂った場合は、肝臓での合成量が減り、血液中の総コレステロール値が調整されるように なっています。

じつは、厚生労働省から出された「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、健常者において基準を設定するのに十分な科 学的根拠が得られなかったとして、食事からのコレステロールの摂取基準が撤廃されています。日本動脈硬化学会も、健康な人では制限は必要ないとの声明を発 表しました。

●酸化LDLを阻止

食事摂取基準が撤廃されたとはいえ、抗酸化という点からみて高脂肪食はちょっと注意が必要で す。とくに、アイスクリームなどに含まれる飽和脂肪酸や、ショートニングやマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸は控えたいもの。スナック菓子ほか、フ ライドポテト、使い回しなど古い油を使用した揚げ物もおすすめできません。

また、炭水化物の過剰摂取もLDLを酸化させる原因になります。とくに、パンやパスタなど小麦を使用したものには気を付けましょう。

おすすめは、次のような強い抗酸化力を持つ食材です。

イソフラボン(豆腐、納豆などの大豆食品)ポリフェノール(赤ワイン、リンゴなど)リコピン(とまとなど)カテキン(緑茶など)セサミン(ごまなど)そのほか、ミネラルやビタミンC、E、βカロテンを含むもの(にんじん)などです。

コレステロールは敵にまわすのではなく味方につけましょう。とくに、ダイエットに励んでいる方、今後妊娠出産を控えている女性のみなさんは、脂質に対する正しい知識を持って真の美しさとハッピーを手にいれてくださいね。

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