コロナと川崎病似の症状が米14州でも。NY州3児死亡102件に増加、人種別データ続報

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が大流行中のアメリカ・ニューヨーク州。先週ぐらいから州内の子どもの中に、新型コロナと川崎病や毒素性ショック症候群に似た症状の合併症例が見られ始めている。

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これらの子に共通しているのは、血管の炎症など心臓に関連した症状で病院に運ばれるということだ。調べてみると新型コロナに感染しているか抗体を持っているが、呼吸困難などこれまで報告されてきた新型コロナの諸症状は見られないという。

その後同様の症状を持つ子どもの数は日に日に増え続けており、5月13日のクオモ州知事の最新の発表では102人として報告された。うち52名はニューヨーク市内の事例で、10名は結果待ちだ。またこれまで州内で死亡したのは3人の児童で、5歳と7歳の男児、18歳の少女となっている。

州保健局ではこのミステリアスな症例について、新たな統計結果を発表した。新たに公表されたデータはこちら。

半数以上が新型コロナに感染

  • これらの症状が見られる子の60%が新型コロナのウイルス検査で陽性結果
  • これらの症状が見られる子の40%が新型コロナの抗体検査で陽性結果(感染したのは数週間前と見られる)
  • 両方陽性の子は14%
  • 71%の子が重症のためICU(集中治療室)で治療
  • さらに19%のもっとも重症者は挿管治療
  • 43%が引き続き入院中(ニューヨーク州で入院=重症)

5~9歳がもっとも多い

子の年齢は非常に少ないが最年少が0歳、最年長が21歳。5~9歳が29%ともっとも多く、次に10~14歳が28%となっている。 クオモ知事の記者会見のキャプチャ

人種別で見るとアジア系は少ない

世界各地で報告されている川崎病は特に日本人を含むアジア系の人々が多く発症している。しかしニューヨーク州のこの「川崎病に似た」症例では、白人がもっとも多く25%、次に黒人22%、ヒスパニック系やそのほかが19%ずつと続く。アジア系は3%。

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この症状について、ニューヨーク州保健局は国内49州の保健局にも現状の報告と調査を求めていた。その結果14の州(ニュージャージー、コネチカット、ペンシルベニア、カリフォルニア、デラウェア、ジョージア、イリノイ、ケンタッキー、ルイジアナ、マサチューセッツ、ミシシッピー、オハイオ、ユタ、ワシントン)と欧州5ヵ国(スペイン、フランス、イギリス、イタリア、スイス)でも同様の症状が確認された。

新型コロナウイルスについての米専門家のこれまでの調べでは、ニューヨーク州のウイルス株は中国ではなくイタリアをはじめとするヨーロッパからのもので、その後全米中に拡散されたということがわかっており、記者会見で幾度となく発表されてきた。この「川崎病に似た」症例もヨーロッパと関係があるのだろうか?

また先日発表された特徴的な症状については、以下のようにアップデートされた。

主な症状

  • 熱が5日以上続く
  • 激しい腹痛、下痢、嘔吐
  • 目の充血
  • 発疹が出る

そのほかの症状

  • 血色がなくなるなど、顔色が悪い。肌に斑点ができる
  • (乳児)流動食や液体を飲み込めない、それらを与えづらい、(子ども)液体をうまく飲み込めない
  • 息切れ、息がしにくい、過呼吸
  • 動悸や胸の痛み
  • 無気力、倦怠感、イライラ、混乱症状が見られる

州保健局は州内のすべての病院に対して、川崎病に似た症状のある子どもに対して、優先的に新型コロナウイルスの検査をするよう勧告。他州との保健局とも情報交換し、引き続き調査を進めていくとしている。

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