コロナ入院5・8万人受け入れ体制、5月8日に5類引き下げで9月末まで整備

厚生労働省は27日、新型コロナウイルス感染症法上の分類について、5月8日に季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることを最終決定した。これに合わせ、全国約8400医療機関で最大約5・8万人のコロナの入院患者を受け入れる体制を9月末までに整える計画を発表した。

 新型コロナは感染症法上、厳格な対策が必要な「2類相当」とされ、限られた医療機関で対応してきた。5類移行後は、幅広い医療機関で患者に対応する通常の医療体制に戻すため、政府は、対応医療機関を拡大する移行計画の策定を都道府県に求めていた。

 同省によると、現在は全国約4900医療機関で最大約5・3万人の入院が可能だ。各都道府県が政府に提出した移行計画がすべて実現すると、9月末までに、約8200ある全病院の9割に当たる約7400病院と、全国約6200か所の入院可能な有床診療所のうち約1000か所で入院を受け入れる体制が整う。

 最大受け入れ患者数約5・8万人中、重症・中等症2患者は、これまでコロナ病床を提供してきた約3200医療機関で最大約2・3万人を受け入れる。軽症・中等症I患者は、受け入れ経験がない医療機関も含めた約5700機関で対応する。

 外来診療に対応する医療機関は5月8日時点で約2000増加し、約4・4万となる見込みだ。

 加藤厚労相は27日の記者会見で「各都道府県とよく連携し、着実に移行を進めていきたい」と述べた。

 新型コロナは感染症法上の「新型インフルエンザ等感染症」に含まれ、2類相当で運用されてきた。

 政府は1月27日の新型コロナ感染症対策本部(本部長・岸田首相)で、危険な変異株の出現など「特段の事情」が生じない限り、5月8日に5類へ移行することを決定した。

 27日の厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の感染症部会で移行に問題がないと確認されたため、加藤氏が同法に基づき、現在流行している新型コロナは5月7日をもって「新型インフル等」には該当しなくなると表明。同省は5類に変更する改正省令を28日に公布、5月8日に施行する。

 政府は27日に政府対策本部を持ち回りで開き、行動制限など政府・自治体によるコロナ対策の指針となってきた基本的対処方針を5月8日に廃止することを決定した。

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