コロナ感染、全国的に減少続く 専門家「行動に変化」

新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織の会合が10日開かれ、新規感染者数は全国的に引き続き減少していると評価した。

 分析によると、発症日別の感染者数は7月27〜29日以降、全国的に減少が続いている。1人の感染者が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」は東京都、大阪府、愛知、福岡、沖縄各県で、直近(8月22日時点)は1を下回っているとされた。先週の分析では福岡、沖縄は注視が必要とされていた。

 理由として、接待を伴う飲食店などへの対策や市民の行動の変化を挙げた。ただ、東京、大阪の実効再生産数は0・9台で、再拡大への警戒を続ける必要があるとした。座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「拡大方向に向かないよう今後も対策を取る必要がある」と述べた。また、お盆時期の人の移動による地方での感染拡大はみられていないという。

 国立国際医療研究センター(東京)が3月以降に協力医療機関に入院した新型コロナ患者約6100人を6月6日以降とそれより前に分けて分析した結果も示された。6月6日以降は発症から入院までの日数が、それより前と比べて2・6日短縮。死亡率は入院時に重症だった人では、6月6日以降は全年齢で9・3ポイント低い10・1%、70歳以上でも10・4ポイント低い20・8%だった。検査の拡充で比較的健康な高齢の感染者を確認できるようになったことや、治療法の改善などが要因に考えられるとした。(土肥修一)

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