村井嘉浩知事は11日の定例記者会見で、県内の新型コロナウイルス感染症の患者数が急増しているとして「これ以上、感染拡大が続けば医療崩壊も懸念される」と警戒を呼びかけた。病床の使用状況を踏まえた県独自の注意報発令も「考える余地はある」と述べた。
県内の定点把握による1週間(8月28日~9月3日)の患者数は1医療機関当たり32・54人と初めて30人を超え、都道府県別で岩手県(35・24人)に次ぐワースト2位となった。受け入れ可能病床の使用率は75・2%、うち仙台医療圏は81・2%まで上昇している。
村井知事は「重症者は比較的少なく、しっかり対応すれば乗り切れる」としつつ「5類移行後で行動制限はできない。自分で自分を守り、他の人にうつさないことが必要だ」と語った。
東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を踏まえた県内水産業への支援策を正式に発表した。「中国の禁輸措置で宮城の水産物の価格も下がっている。処理水の影響なので補償の対象になる」との見解を示した。漁業者らの今後の損害賠償請求などで「国や東電との間に入り、しっかりサポートしたい」と強調した。
仙台医療圏4病院の再編構想の一環で、名取市に民間の精神科病院を誘致する計画に関し「いろいろな人の声を聞き、私なりに軌道修正して示した案だ」と理解を求めた。病院の公募に関しては「手を挙げそうな病院はまだない。県内の精神科病院を回って協力をお願いしていく」と述べた。