コロナ第7波の兆し、対策のアップデート必要

 流行「第7波」の兆しが見られ、東北でも高止まり傾向にある新型コロナウイルスの新規感染。厚生労働省クラスター対策班の小坂健・東北大大学院歯学研究科教授(公衆衛生学)に今後の見通しや対策を講じる上での注意点を聞いた。

 オミクロン株の従来型「BA・1」から派生した「BA・2」は喉などの上気道で増殖しやすい。重症化は少ないが、感染力はBA・1より2割ほど高い。国内でも今月中にはBA・2への置き換わりが進むだろう。

 より感染性の高いBA・2派生型「XE」も国内で初確認されたが、感染拡大は株の違いよりも人の移動などの影響が大きい。東北での直近の感染拡大傾向も年度末の異動期と重なったためだろう。オミクロン株の症状は喉の痛みや頭痛などが多いとされ、軽い症状でも検査を受けたり学校や職場を休んだりする勇気を持ってほしい。

 感染経路も、接触感染より空気中に漂うウイルスを含む微粒子を吸い込む「エアロゾル感染」が主体であることが認知されてきた。一方、飲食店など市中の感染対策は今もアルコール消毒や座席間のパーティション設置が主流で、換気は不十分だ。対策への意識もアップデートが必要。常時排気する方策を進めてほしい。

 花見など行楽の機会が増えるが、少人数で屋外なら問題ない。人との接触機会が増えると感染が広がる可能性が高いが、自粛一辺倒やゼロリスクの発想でなく、リスクを減らしつつ楽しむ方法や、連休後は1週間オンラインで対応するなど、職場や学校に持ち込まない方法を考えるべきだ。

 コロナ下で自殺者が男女とも増えた。経済的要因だけでなく交流機会の減少なども要因とみられる。「正しく恐れる」という姿勢でコロナに向き合い、リスクを減らしながら社会を回すことが求められる。

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