コロナ関連農業法人、角田で有機栽培事業 放棄地を利用

 住宅関連設備を製造販売するコロナ(新潟県三条市)の関連会社で、農業生産法人「コロナアグリ」(同市)が角田市に宮城事業所を開設することが7日、分かった。角田市内の高齢農家や地権者と農地の賃貸契約を結び、4月に事業を始める。コメや大豆、野菜の有機栽培に取り組む。
 コロナアグリが、地元の新潟県以外で事業を展開するのは初めて。関係者によると、これまで角田市内で借り入れが決まった農地は約22ヘクタールで、今後も拡大する見込み。貸主は数十人に及ぶ。
 角田への進出は、大規模な農地を確保できるほか、新潟県に比べて降雪が少なく通年で農産物を栽培できる点などを考慮して決めたとみられる。担い手の高齢化に伴って増え続ける耕作放棄地を利用することで、地域農業の活性化を目指す。
 角田市の事業所は従業員7人のうち、農業経験者や就農希望者6人を地元で雇用する。耕作規模が広がれば、採用を増やす可能性もあるという。農薬、化学肥料を使わない有機栽培でササニシキを中心に作付ける。
 コロナアグリは資本金200万円で、2010年4月に設立。昨年は新潟県内の水田約2.4ヘクタールでコメを栽培し、収穫した約6トンをグループ会社の社員食堂に提供した。
 農業生産工程管理(GAP)を導入して品質を高めるなど、企業経営のノウハウを生かしながら、今後は一般市場での販売も視野に入れる。

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