コンパクトシティーモデルに東北4市町選定

東北地方整備局は、本格的な人口減少社会を見据えたコンパクトシティー推進に向け、過疎が著しい東北4県の4市町をモデル自治体に選び、住民を中心部へ集約した場合の効果分析を始めた。公共インフラの維持費などをどれだけ軽減できるか数値化し、本年度中に結果をまとめる。

対象は、むつ、栗原、湯沢3市と山形県小国町。自治体側の協力や、地域バランスなどを考慮した。4市町でそれぞれ、中心部から距離が離れている複数の過疎地区を抽出。10~20年後の高齢化率や世帯数の減少を推計する。
分析を踏まえ、住民が「地区にとどまる」「中心部に転居する」の2パターンを想定。道路や水道、電気など社会インフラの維持費や、訪問介護、ゴミ収集の費用を比較する。分析結果は4市町に提示し、まちづくりの方向性を判断する材料にしてもらう。
国土交通省は、2050年には全国の居住地域のうち63%で、人口が10年時点の半分以下になると予測。人口減少に伴い、生活利便施設の撤退も想定され る。同省の見通しでは、50年には徒歩圏内に生鮮食料品店がない1人暮らしの高齢世帯が、05年の2.5倍の約114万世帯に達する。
打開策として国は、住宅や公共施設を中心部に集約するコンパクトシティーを提唱。14年8月の改正都市再生特措法施行により、各自治体が中心部に居住誘導区域を設定し、区域外からの移住に補助金を出すことが可能になった。
全国では富山市が05年度、JR富山駅周辺などに移り住んだ住民向けに独自の助成制度を設けている。

タイトルとURLをコピーしました