コンビニ「脱プラ」加速

コンビニエンスストアで脱プラスチックの取り組みが加速している。ローソンはコンビニコーヒーのカップを紙製に切り替える実証実験に着手。ファミリーマートやセブン−イレブン・ジャパンもプラスチック容器の種類の削減などの対応を進めており、各社は深刻な海洋汚染を招くプラごみ削減に貢献する。

 ローソンは「ナチュラルローソン」5店対象の実験で、いれたてアイスコーヒー(Sサイズ)のカップをプラスチック素材から紙素材に変更。さらにプラスチック製ストローを使わないでも飲める「口」を取り付けたふたに切り替えた。

 実験は今夏の全店導入を視野に3月末まで実施。「紙製カップはアイスコーヒーの清涼感が伝わりにくいなどの課題がある」(ローソン)ことから、切り替えた場合の売り上げへの影響や顧客の反応を検証する。

 カップなどはいずれも使い捨てのため環境負荷が懸念される。今回の取り組みでプラスチック削減量は1個あたり10・85グラム。全店導入した場合の削減量は年間542・5トンと試算されており、前向きに検討を進める方針だ。

 一方、ファミリーマートは弁当やサラダなどのプラ容器や包装資材の種類を減らす取り組みを強化。平成29年度の290種類から30年度末には210種類、さらに31年度末までに180種類まで減らす計画だ。ファミマは「商品が変わっても同じ容器を使えば効率性が上がる」と意義を説明した。

 セブンはこのほど各加盟店に対しバイオマス(生物資源)原料のレジ袋の使用を推奨することを決めた。また、一部店舗では試験的に、コーヒーを買った顧客に紙製ストローを手渡す取り組みも実施している。

 環境省は使い捨てプラスチックの排出量を42年までに25%削減する方針だ。スーパーやコンビニなどの小売りは、レジ袋をはじめとしてプラスチックの使用量が多い。コンビニ各社は創意工夫によるプラスチック削減努力により環境負荷低減に向けた企業姿勢を示す狙いだ。

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