コンプレックス広告やめました 売り上げ減でも挑む理由

「マジで激ヤセ」「毛穴の汚れがごっそりとれる」――。ネットでニュースや動画を見ていると、時折、大きなおなかや毛穴のアップの画像が目に飛び込んでくる。化粧品や健康食品の広告だが、見た目のコンプレックスをあおるようなどぎついビジュアルや文言が不快に感じられるものも多い。そんな広告を今年、ある広告系のIT企業が配信停止にした。

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 大手ニュースサイトなどに広告・記事配信システムを提供している「popIn」(ポップイン、東京都港区)は今年5月下旬、こうした広告がでないように審査の基準を厳しくした。

 システムを通じ、150社ほどの広告会社から入荷したネット広告を配信しているが、広告を一つずつ人の目でチェックし、法令に抵触しそうなものだけでなく「太っている」「頭髪が薄い」など身体的な特徴をことさら強調したり、差別的な表現を含んでいたりする広告を全て停止した。

 具体的には、毛穴や歯、おなかなどが不自然に大きく表示されたり、過剰なダイエットをあおったりするものなどが対象。広告会社にも協力をもとめ、新しい基準に応じられないという数社とは取引をやめた。広告の単価が高いところが多かったため、売り上げは一時半分ほどまで下がった。今は基準に賛同する広告会社からの新規契約が増えて回復してきているが、それでも以前の8割ほどだという。

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