公式サイトで提案「ジャニーズ事務所には被害者の補償に専念を」とも
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害を同事務所が認めたことを受け、化粧品の株式会社コーセーグループは15日、公式サイトで「ジャニーズ事務所に対する当社の対応について」と題した文面を掲載し、所属タレントの移籍や別組織の設立を提案するなどした。踏み込んだ異質の声明で波紋が広がっている。
大手企業が続々とジャニーズ事務所とのCM契約見直しを表明する中、コーセーグループによる声明は異質で大きく踏み込んだものだった。
「このたびのジャニーズ事務所の問題に対しては、長年に亘り事務所と契約をしてきた企業として、人権尊重の徹底や、被害にあわれた皆さまへの補償が少しでも早く進むよう、改革や取り組み状況の報告を求め、必要に応じて情報提供を要請するなど、事務所の適切なガバナンス体制の確立を注視してまいります。また、その一方で、所属タレントの皆さまや、それを支えるマネージャーなどスタッフの皆さまが活躍の場を失う状況についても非常に懸念しており、才能あるタレントやスタッフの皆さまが、一日も早く活躍の場に復帰できる仕組みの確立についても、強く要請してまいります」
その上で「我々は、上記の2つ、すなわち『被害者の補償とガバナンス確立』と『所属タレントやスタッフの救済』の双方が円滑かつ迅速に進むことこそ最も重要と考えており、それには、この二つを明確に分離し、並行して進めることができる状態にすることが必要と考えます」と説明し、所属タレントにジャニーズ事務所を離れる提案をした。
「現在のジャニーズ事務所には被害者の補償に専念していただくべきと考えており、現在の所属タレントの皆さまや、そのマネジメント機能については、他社への移籍や、ガバナンス体制の整備された別組織の設立などの方策によって、早急に対応すべきであると伝えていく所存です」
そして、「当社は今回の問題を契機に、お客さまと商品を繋いでくださるタレントの皆さまや、それを支えるスタッフの皆さまを取り巻く環境が、より健全化していくよう、社会的責任を負う企業として、微力ながら貢献していきたいと考えております」との姿勢を示した。さらには、グループとしてのジャニーズ事務所への対応を「十分な改善が認められるまで、新たな契約や起用は見送っております」「当社グループの契約タレントのテレビCMの放映は全て終了しています」「現時点ではWebサイトからの削除や店頭の販促物の撤去等は予定していませんが、お客さまのご意見や流通企業の意向を踏まえ、適切に対応してまいります」と説明。また、連結子会社のアルビオンも同日、同様の対応をつづった書面を公表した。
コーセーはこれまで嵐の松本潤やSnow Man・目黒蓮らをCMに起用。アルビオンはSnow Man・渡辺翔太とのCM契約中だったが、ここまで踏み込んだ声明は波紋を呼び、ネット上では「さすがに眉をひそめる」「何様感が半端ない」「行き過ぎ」などの批判が噴出。一方で、「愛を感じる」「今までの企業声明で一番好き」「全面的に賛成」のなどの声も出ている。ENCOUNT編集部
