日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の役員報酬を巡る有価証券報告書の虚偽記載事件で、報告書への不記載分を含む毎年の実際の報酬額などを記したとみられる一覧表が作成された上、ゴーン容疑者がそれに修正を加えていたことが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、ゴーン容疑者が報酬額の決定過程に深く関与し、報告書への虚偽記載を主導していたとみて調べている。
関係者によると、ゴーン容疑者は役員報酬の個別開示制度が始まった2010年3月期以降、高額報酬への批判を避けるため、20億円前後だった報酬の一部を退任後に「後払い分」として受け取ることを決定。前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)らに指示し、確実に報酬を受け取れるよう、報酬の後払いや報酬額を明記した「覚書」を毎年作成させていたという。